カメラを買うときに画素数を気にしている人は多いと思います。
富士フイルムから発売されたGFX 100というカメラは画素数が1億2000万画素という地球の歴史のような数字の機種まで登場しました。
デジタルカメラの性能を語る上で欠かせない画素数という単語、じゃあ画素数とは一体なんなのか、高画素カメラが良いのか?低画素カメラは悪いのか?メリットとデメリットは?
今回はそこを解説していきます。
そもそも画素と画素数ってなに?
画素とは?
画素とはコンピューター上で画像を表示する際に使われる色の最小単位で、英語ではピクセルといいます。
例えば上の画像を拡大していくと…
マス目が見えています、これが画素と呼ばれるものです。
この小さな画素のそれぞれが明るかったり、暗かったり、赤かったり、青かったりしていて、その集合体が、普段私たちが目にしているテレビ、パソコン、スマートフォンの画像だったりしているのです。
画素数とは?
では画素数とは何かということになるのですが、デジタルカメラのイメージセンサーに光を感じるセンサーが何個入っているかという数字です。
フラッグシップのカメラは画素数が低め
光を感じる点が多くあった方が高性能でしょ、と思われがちですが、必ずしもそうではありません。
ニコンやキヤノン、ソニーから発売されているフラッグシップ(最上級)のカメラは画素数が高くありません。
ニコンの場合
フラッグシップ機D6の画素数は2082万画素
その下のクラスのD850は4575万画素
キヤノンの場合
フラッグシップ機EOS-1D X Mark IIIの画素数は2010万画素
その下のクラスEOS 5Ds の画素数は5060万画素
ソニーの場合
フラッグシップ機α1の画素数は5010万画素
その下のクラスα7R IVの画素数は6100万画素
なぜか下のクラスの画素数の方が高いという結果になりました。
え?なんで?ってなりますよね。
低画素であるが故のメリットとデメリット
低画素のメリット
上記のカメラは35mmフルサイズという3.6 cm×2.4 cmのイメージセンサーを使っています。
つまりその中に小さなセンサーが詰まっているわけですが、画素数が少ないとセンサー1個のサイズが大きくなるので、光を受ける面積が広くなります。
つまり、多くの光を取り込めるので、明るい所が白く飛ばずに、逆に暗い所が黒くつぶれずに階調が豊かな写真を撮影することが可能となるのです。
また、データ量が少ないので大量に撮影する場合は記録メディアの容量を節約できたり、また連写撮影する場合は連写スピードを高めたりできるというメリットがあります。
低画素のデメリット
画素数が少ないので写真の一部を切り取るトリミングなどをした場合は画像が劣化を起こします。
また写真を引き伸ばす場合でも画像の持つデータ量が少ないのでこちらも劣化を起こしてしまいます。
また、撮影した画像も画素が少ないので細かいディティール面を表現するには高画素に比べるとやや難があります。
フラッグシップ機のカメラは撮影目的としてスポーツや暗所撮影を想定して作られているカメラなので、光が多く取り込める大きいセンサーを使用するために画素数が抑えられているのです。
(ちなみに画素数だけの話です、プロ仕様カメラの優れている部分はこれだけではないのであしからず)
高画素のメリット・デメリット
高画素のメリット
高画素カメラで撮影された写真は細かな部分まで表現されています。
例えば、ポートレートでも人のまつ毛の一本まで綺麗に撮れます、また、風景写真でも木の葉っぱの一枚までハッキリと写し出す事が可能です。
これは、多くセンサーを配置する事によって、被写体の情報を多く取り込めることがなるので、より細かなディテールを表現する事ができるのです。
また、トリミングや引き伸ばしなども撮影される画像のデータが多いため劣化も少ないので、少々レタッチ作業しても品質が下がらないのが魅力です。
高画素のデメリット
高画素機はカメラの扱いが難しいことが挙げられます。
手持ちで撮影する場合、高速のシャッタースピードで撮影しても手ブレを起こしたりしています。
また、書き出すデータの容量も多いので記録メディアも書き込みスピードが早い物、また容量が大きいものを買う必要があります。
あと、(レンズ交換式のカメラに限り)レンズも解像力の高い、大口径のレンズを使用しないとカメラ自体の性能をフルに引き出すのは難しいです。
そんな私は低画素機も高画素も使っています。
私は仕事では、どちらも使っています。
ちょっと古いカメラですが富士フイルムのs5proというカメラとNikonのD810というカメラです。
S5proは2007年に発売された画素数1230万画素のカメラですが、今でも料理撮影はこちらのカメラを使用しています。
理由は、上記のメリットと同じで発色が良く、色彩の豊かな写真が撮影できるからです、単焦点レンズで撮影すれば、まだまだ現役で使えるカメラとして重宝しています。
また、後処理もデータが軽いのでストレスフリーで作業ができるのも重宝する理由です。
ちなみにD810は2014年に発売されたカメラで画素数は3709万でこちらは高画素機ですが、ポスターや看板などで使用する写真を撮影する際はこちらを使っています。
写真を大きく使う場合は高画素機の持つディールの表現力は安心感があります。
以上のように、私の場合は撮る物、写真の用途に応じて使い分けをしています。
ですので、カメラの性能を語る上で画素数というものは必要ではありますが、そればかりを気にするべきはないと私は考えます。
カメラを購入する場合は参考になれば幸いです。
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