グラビアという言葉を聞くと「水着を着ている女性の写真」とイメージしがちです。
いわゆる「グラビア写真」と呼ばれるジャンルの写真ですね。
この「グラビア写真」に写っているモデルを「グラビアモデル」もしくは「グラビアアイドル」
掲載してる雑誌や写真集は「グラビア雑誌」「グラビア写真集」
そんな写真を撮影しているカメラマンを「グラビアカメラマン」
なんて呼ばれていますが、この「グラビア」という単語、実は印刷方法のことなんです。
今回はちょっと誤解されている「グラビア」という写真のジャンルについてお話します。
そもそもグラビアとは
グラビアとは、「グラビア印刷」という印刷方法の一種で、かつては「写真を印刷するならグラビア印刷」と呼ばれるほどメジャーな印刷の技術でした。
グラビア印刷は凹版印刷と呼ばれる印刷のジャンルです。
銅でメッキされた版に削られた凹みにインクを…
と、詳しい説明をすると長くなるので詳しく知りたい方はこちらを参照してください。
グラビア印刷(Wikipedia)
この印刷のメリットして写真の細かな濃淡を表現できるという所で、昔の雑誌で写真を掲載するページではこのグラビア印刷が用いられていました。
グラビアがなぜ水着姿の女性写真になったのか
グラビア印刷が写真に適した印刷ということで、水着女性の写真をポスターや雑誌の表紙に印刷されることが多くなりました。
有名写真家が写真を撮影して雑誌で大々的に「巻頭グラビア」「グラビア特集」など水着姿の女性写真を目玉企画として扱い、発行部数を伸ばそうとしたんですね。
こういった企画が人気になると「グラビア」という言葉が一人歩きし始めて。
写っている女性たちのことを「グラビアアイドル」「グラビアモデル」
撮影しているカメラマンを「グラビアカメラマン」と呼ぶようになっていった訳です。
でも今はグラビアじゃない
かつては写真の印刷として使われていたグラビア印刷ですが、コストの面でやや高価で大量に印刷される雑誌などには不向きな部分がありました。
現在ではコストを抑えられ、高品質な「オフセット印刷」という方式がとられています。
ですので本当なら。
「グラビア写真」ではなく「オフセット写真」
「グラビアアイドル」ではなく「オフセットアイドル」
「グラビアカメラマン」ではなく「オフセットカメラマン」
と呼ばれるのが本当なんです(あくまでも個人の見解です)
私たちに身近なグラビア印刷
雑誌の印刷に使われなくなったからといって「グラビア印刷」が無くなったわけではありません。
グラビア印刷もう一つのメリットとして紙以外にも印刷できるというものがあります。
例えば、商品のパッケージや、ビニール袋に印刷されている文字、もちろん写真の品質は折り紙付きなので写真集、美術品を掲載する図録など。
あと、厳密は違うのですが(だと思います)お札など。
あらゆる場所に「グラビアパッケージ」「グラビアビニール」「グラビアお札」が溢れているのです。
グラビアのまとめ
最後は写真の話題から外れてしまいましたが、「グラビア写真」というが本来「水着姿の女性」を表していないということがお分かりいただけたかと思います。
よかったら明日の職場の昼休みの話題に、もしくは家族団欒の話題に、好きなあの子に自慢するためにでも、今回の記事を参照してもらえると幸いです。
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