前回のブログでCMYKとRGBの違いについてご紹介させていただきました。
光の三原色がRGBですが、その中でもさらに表現形式として二種類のモードが存在します。
それがsRGBとAdobeRGBです。
カメラの設定画面でも色空間という項目があり、そこでsRGBとAdobeRGBを選択できるようになっていると思います。
同じRGBなのになぜ二つあるのでしょうか?
それは色を表現する幅が違うからです。
今回はこの二つのRGBについて書いていきます。
sRGBとは
かつて同じ色でも違うメーカーのディスプレイではそれぞれに違った見え方をしていましました。
そこでマイクロソフト社とヒューレットパッカード社が統一したRGBの規格を提唱し、1999年に国際電気標準会議(IEC)おいて設定された国際標準規格のRGB空間における規格です。
主にWindows環境の基準となっている色空間ですが、現在では一般的なディスプレイ、プリンターにおける色の基準として採用をされています。
WebサイトもsRGBに準拠して作られています。
一般的に広く普及されているため、違うメーカーの機器でも違和感がなく色を再現する事ができ、汎用性が高いことが最大のメリットですが、表現できる色の範囲が狭く特にブルー系は苦手とされています。
AdobeRGBとは
AdobeRGBはAdobe社が1998年に提唱したRGBの規格で主に商業デザインや印刷の分野で使われているもので、印刷物を基準に作成されています。
ディスプレイを基準として作られたsRGBと違い、表現できる色の幅が広く、色の再現性で言えばAdobeRGBが優れていると言えます。
しかし、AdobeRGBの色を正確に表示させるには、対応しているディスプレイ、もしくはプリンターを準備しなければならず、非常に高価なので一般的にはそろえるにはハードルが高いと言えます。
ですのでAdobeRGBは業務用の規格だと考えて良いでしょう。
普段の写真撮影ならsRGBがオススメ
上記にも書きましたようにAdobeRGBは色の表現力は高いですが、それを一般のパソコンやスマートフォンで表示させてしまうと色がくすんでしまったりする可能性があります。
sRGBは色の表現力ではAdobeRGBとくらべて狭いですが、SNSやブログなどのネット上で公開するならば広く対応しているsRGBで撮影することをオススメします。
そうすることでより自分がイメージした作品を多くの人へ正確に見てもらえる事が可能です。
sRGBでも印刷には問題なし
印刷会社で長年勤務していた私の経験からいうと、写真を印刷する際にsRGBでも問題はありません。
そもそもsRGBは一般的なCMYKに比べれば表現できる色の幅は広いので、そこから色が極端に変わってしまうということは経験からないと考えますので安心してもらって大丈夫です。
また、印刷会社によってはAdobeRGBの環境が対応していない場合もありますのでsRGBが無難といえます。
RAWで撮影すればあとからカラーモードは変更できる。
写真撮影においてはRAW撮影してsRGBとAdobeRGBのカラーモードは後から決めるという手段もあります。
RAWの時点では未加工の状態なので撮影後に現像処理をする時点でどちらかのモードへ決めて画像化してしまうのも良いでしょう。
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